しつけ 犬のしつけ 犬が吠える理由は? むやみに吠えなくさせるトレーニング法 監修:西川 文二

吠えることは、犬にとってはごく当たり前の行為です。犬は元々「吠える遺伝子」を持っていますので、成犬になれば、多かれ少なかれ吠えるものです。ですから、もしも、犬が吠えたとしても、犬自身と人間にとって特に問題がないのであれば、吠えないようにトレーニングをする必要はないのかもしれません。

しかし、たとえ犬といっしょに暮らす家族が「吠えてもいい」と思っていたとしても、お出かけ中やお客様が来ているときに吠えてしまうようでは、迷惑になってしまいます。犬と人間が快適に共存していくためには、犬が吠える原因を知り、吠えずに済むようにトレーニングをしてあげる必要があるでしょう。

 

吠え方には4つの要素

犬の吠え方・吠え声は、「高さ」「大きさ」「速さ」「間隔」の4つの要素に分解できます。
それぞれの意味をご紹介します。

・高さ

吠え声の高さは、犬の強さを表します。高い声で吠えているときは、自分は弱いとアピールしていて、低い声で吠えているときは、強さをアピールしているのです。

・大きさ

吠え声の大きさは、そのまま、気持ちの強さと比例します。大きい声で吠えているときは、それだけ相手に強くアピールしたいときで、小さい声のときは、それほどでもないということです。

・速さ

吠える速さは興奮の度合いを表していて、速いテンポで吠えるときは興奮していて、遅いときは落ち着いている状態です。人間も、自分の主張を訴えかけようとして興奮したときは、まくし立てることがあります。犬の吠え声も、これと同じことがいえます。

・間隔

吠え声の間隔は、相手の様子をうかがっているか、興奮して自分の主張を訴え続けているかの違いです。間隔が短い場合は自分の主張を訴え、間が空いているときは様子を見ながら吠えているということになります。

吠え癖をつけさせないために

同じ母犬から生まれた犬であっても、吠える犬になる場合と、ならない場合とがあります。これは犬が1歳ごろまで子犬の時期にどんな暮らしを送ってきたかによって左右されると考えられます。このころに「吠えるスイッチ」が入りやすくなってしまった犬は、その後も吠える犬になりがちですし、スイッチが入りにくく育った犬は、その後も吠えにくくなるのです。

吠えるスイッチが入らないようにする

ほかの犬や人、または生活音などの外部刺激によって、犬の吠えるスイッチは入ります。子犬の時期にたくさんの刺激にふれ、吠えないようにトレーニングを受けた犬は、吠えるスイッチが入りにくくなります。反対に、刺激を受けたときに吠えっぱなしにさせていたり、そもそも刺激を受けずに育ってしまったりした犬は、その後、外部からの刺激に接したときに、激しく吠え立てるようになる可能性が高いのです。

犬は「結果的にいいことが起きる」、あるいは「結果的に嫌なことがなくなる」行動を習慣化していきます。ですから、吠えるという行動の予防・改善には、前者は「吠えてもいいことを起こさない」ことです。吠えてもいいことが起きなければ、吠える行動は減っていきます。

ただし、「結果的にいいことが起きる」行動には、そこに何かしらの犬の欲求が隠されていますから、並行して吠えることとは別の好ましい行動を教え、「吠えなくてもいいことがある」ことを伝える必要があります。

一方、後者の「結果的に嫌なことがなくなる」から吠えているのであれば、「その嫌なことに慣らす」ことを行います。慣らすことで嫌なことでなくなれば、それをなくす必要はなくなります。結果、吠えることはなくなります。

ちなみに、犬が吠えたときに叱ったり、罰を与えたりする方法は、犬のストレスになる上に、吠えたことと叱られたことの関連性を理解させるのが難しいため、絶対に行うべきではありません。

吠える犬の心理を理解するために

「きのう、あめがふった」と言ったとき、「きのう」と「あめ」を、「機能」や「飴」だと思う方はまずいないでしょう。これは、前後の文脈から、自然と単語の意味を判別しているためです。このような文脈のことを「コンテクスト」といいます。

人間の言葉と同様に、犬の吠え声にもコンテクストがあります。犬の吠え声が「高く、大きく、ゆっくり、間隔が広い」ものだったとしましょう。この犬がケージに入れられている場合は、「早く出してほしい」という要求吠えをしているということがわかります。

犬の吠え声の種類とコンテクストを組み合わせれば、犬がなぜ吠えているのかが、よりはっきりとわかるようになります。吠える犬をただ叱るのではなく、犬の気持ちを理解した上で正しいトレーニングを行いましょう。Aippo

 

Sippo     2018/05/23  引用