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犬回虫のこと
昨年のクリスマスに受け渡しをしたお客様の豆柴から「犬回虫」が出てしまいました。
犬回虫は小腸に寄生虫が感染する病気です。主な感染経路は母犬の乳を介してです。その他環境中の虫卵を口にする経口感染と、母犬の胎盤を通しての感染が知られています。
犬が感染したときの症状は下痢、腹部膨満、虫体の吐出、無症状です。子犬が一頭かかっていたときには兄弟犬をすべて駆虫する必要があります。感染したときに虫卵を排出するのは子犬だけで成長した犬が感染しても成虫とはならず、体の中で幼虫の段階で成長を止め、「眠っている」状態となります。犬が妊娠すると起き出して胎盤や乳腺から排出され、子犬に感染します。感染した虫は体の中を「巡って」から気管に入り、そこから消化管に移って最終的に腸に行く複雑な経路をとります。
薬を使えばおなかの中にいる虫は駆虫することができますが、腸に至るまでに体の中を巡っている状態の虫は駆虫することができません。その巡っている虫が腸に入ってきて成虫になると環境中に卵をばらまきます。産卵する卵の数は他の寄生虫よりもとても多く、メス1匹が1日に約2万個の卵を産むと言われています。環境中の卵は再感染と他の犬や人への感染を起こします。卵は産卵時は未成熟卵で感染能力はありません。約2-3週間で感染能力を持った成熟卵となります。
従って、幼犬では2~3週間毎に生後3ヶ月令まで繰り返し薬を飲ませて環境の虫卵汚染を防ぐ必要があります。環境の清浄化には土の焼却/交換の他、漂白剤(1%塩素)の20倍希釈液で感染性が低下すると知られています。
ブリーダーさんの飼育環境にも関係がありますが、店長の経験では、やはり土の上で犬を育てているブリーダーさんのほうが、どうしてもケースで育てているブリーダーさんよりも犬回虫が出る頻度は高い気がします。
ブリーダーさんを擁護するわけではありませんが、多数の親犬を育てている場合、定期的に土の焼却交換などは難しい場合が多いので、必ず駆虫薬を投与してからお渡しをしているのです。
それでも犬回虫を駆虫できなくて、お届けしてしまった場合は、大変です。
吐き気がある場合とない場合がありますが、お尻から白に虫(体長10~15センチはあります)がニョロニョロと複数頭出てきますので、どれほどビックリなさることかと思います。
もしも、そのような場面に遭遇した時は、獣医さんで、その虫の種類にあった薬の投薬を受ければ駆除できます。
虫の種類の中で「コクシジウム」だけは「しつこいタイプ」の虫なので、何度か投薬をうける必要がありますが、他の虫の場合は1~2回の投薬で駆除できて、獣医さんから「大丈夫ですよ」と言って頂けます。


